SUPER STAR 開発秘話

昭和53年、星雲星団が見たくて見たくて・・・

SUPER STARの原点「星雲・星団ノート」。1978年。
もうとにかく星雲・星団が見たかったのです。 藤井旭さんの著作をはじめ、たくさんの刺激を受けていた少年でした。
やっと手にした8cm反射経緯台では限界だらけでした。
「赤道儀の目盛環を使えばファインダーを使わなくても導入ができるんだ」
たったそれだけの動機で無謀にも始めたノートです。さらに無謀なことに赤道儀の自作まで始めました。近所の資材置き場は楽園となりました。 「マイコンでやればいいんだ!」と思いつくまで、あと4年、 ビクセン「マイコンスカイセンサー」が発売されるまで、あと6年、そんな頃です。
翌年発売の大野裕明さんの著書「見て面白い星雲星団案内」で心の炎は最高潮に達します。この本で刺激を受けた方、私だけではないと思いますよ。
星雲星団ノート表紙
この1冊のノートからすべてが始まりました。
40年以上の時を経て、ボロボロです。。。
星雲星団ノート中身 これがSUPER STAR の原点、「星雲・星団ノート」です。
無謀だったのは、定規を使って全天恒星図から目視で座標を拾っていたことです。 学校の休み時間にこんなことしてる子供でした。それくらい星雲星団が見たかったんです。




そうか!マイコンでやればいいんだ!

目盛環導入プログラム for MZ-80B。1982年。
手動で目盛環導入をする問題、日周運動によるズレ。 どうしてもアライメント(同期)の概念が必要です。
「そっか、マイコンでやればいいじゃん!」
単純なひらめきです。1982年5月のことでした。 当時としては画期的なアイデアであったと思います。「仮想赤経」と勝手に呼んでましたが、つまり時角です。

プログラムを作ってはみたものの、MZでは倍精度計算ができないことも問題でしたが、私の技術力もまだまだ問題でした。 当時はデパートや電気屋さんに行ってパソコンをいじる時代、NECのパソコンに触れられない環境は厳しかったですね。
MZ-80B
ビクセン「マイコンスカイセンサー」が発売されるまで、あと2年。




衝撃!ビクセン「マイコン・スカイセンサー」登場

バイブル「マイコン宇宙講座」
中野主一さんの「マイコン宇宙講座」。 今でも見返すことありますよ。 まさにバイブルです。 地方恒星時の精密な計算、これこそが手動導入の肝です。これさえできれば、時角の概念により赤経の目盛環が固定されていても導入ができるはずなんです。 どうしても倍精度計算のできるパソコンが必要でした。
マイコン宇宙講座
自分のマイコン入手!PC-8001
中古パソコン市場が誕生したころです。
「マイコンが買える!?」
欲しくて欲しくて仕方なかったNEC「PC-8001」を入手することができました。 N-BASICなら倍精度の計算ができます。 目盛環導入プログラム for PC-8001 はこうして作られました。 ただし、自作の赤道儀が完成しません。これでは実験ができないのです。経緯台の脚を1本切ってフォーク式赤道儀にしてしまおうか、どこかの学校のどう見ても使われていない赤道儀を盗んでしまおうか、そんな良からぬことまで考えていました。
PC-8001

衝撃!ビクセン「マイコン・スカイセンサー」登場!1984年。
あの衝撃は忘れられません。。。

ビクセン「マイコン・スカイセンサー」発売!

コンピュータ制御のモータードライブなんて、遠い遠い未来のことだと思っていました。 「先を越された!」と、本気で思っていた身の程知らずな高校生でした。
マイコン・スカイセンサー




自作望遠鏡の完成。

天文ガイド「私の愛機」に掲載! 1986年。
SUPERSTARの原点「目盛環導入ノート」を作り始めた1978年、同時に始めたのが反射望遠鏡の自作。 結局完成まで8年もかかってしまいましたが、念願の「私の愛機」に掲載されました。1986年7月号です。
目盛環導入のために赤道儀を作っていたのですが、ハレー彗星に間に合わせたくて経緯台に変更。ドブソニアンとフォーク式の中間のオリジナル架台です。 なぜフォーク式の要素を取り入れたのか?それは、いつでも水平回転盤を改造してフォーク式赤道儀に化けさせるためでした。
天文ガイド1986年7月号「私の愛機」
天文ガイド1986年7月号「私の愛機」
あの銅のプレートもありますよ。




いよいよ本格開発!?

目盛環導入ソフト「誘い~IZANAI~」 1987年。
働きましたね~。とにかく働きました。 アルバイトは肉体労働1日16時間! 苦労の末に最新パソコンを入手! 時代は8bitパソコン全盛時代。 高速グラフィック、美しい音源・・・ 目盛環導入ソフト「誘い~IZANAI~ for PC-8801」を作りました。 日本地図が出たり、アラーム機能があったり、凝りに凝ったソフトです。でも凝っちゃダメなんですよね。 とっても中途半端なソフトに終わりました。 プロの開発技術を学ぶほんの少し前だったのです。
PC-8801FH
残念ながら画面がもう見られません。
バブルでした。天文熱、急低下
いや、そうですよ。若かったですから。時代はバブル。 他に楽しいこといっぱいでしたから。 スキーにテニス、バイクに車、サークル活動に合コン。 さらに大学生でありながらベンチャー企業でエンジニアとして仕事もしてたんです。 しかも、メガスター作者の大平氏と同じ大学、キャンパス内の隣の校舎にいたんです。当時はまったく知りませんでした。
「誘い(IZANAI) for PC-9801」開発。胎内星祭り'90へ。
学生生活あと1年、ちゃんと作らなきゃ!
すでにエンジニアでもあったため、プロの技術を投入した「誘い~IZANAI~ for PC-9801」を開発。 胎内星祭り1990に持ち込みました。 まだまだ手を入れなければ。でも・・・ あぁ~、学生生活が終わる~ 着手が遅すぎました。 夢の天文ソフト計画は、1997年まで心の片隅にしまい込むことになり、しばし星と無縁な社会人生活を送ることになります。
胎内星祭り1990
胎内星祭り1990。研修館前がメインステージだった頃です。




魂再燃!「SUPER STAR」誕生。

Windowsならスゴイのができる!
人生、何があるか分からないですね。1997年、シェアウェアというソフトの販売方法を知りメラメラと心が燃えます。 Windowsの強力なグラフィック処理、高速なCPU、これならプラネタリウムソフトとしても成り立ちます。 本来の目的である目盛環導入はとりあえずナシで、まずは星座早見と恒星図を作ろう! やがてこのソフトは素晴らしいものへと発展する、だから名前は大きく「SuperStar」。 SuperStar(1.0β)
星座早見・恒星図の2画面構成(文字化けしてしまいました)。 星座早見をクリックした位置が恒星図で中心にくるというインターフェースや、 拡大縮小は今も引き継がれています。
SuperStar(1.0β版)公開!
1998年2月14日、Nifty FSPACE にてSuperStar(1.0β版)、まずはフリーウェアとして公開。
「SUPERSTARプロジェクト」の本格始動です。 もうこれまでのようなお遊びや中途半端はナシです。あの1冊のノートから始まった思いは、これより確かな道を歩むことになります。
NiftyServe FSPACE
懐かしの、Nifty FSPACE です。
最も苦しんだ「SuperStar 2.0」 1998年
これは苦しみました。。。 また1から作れ、と言われても無理でしょう。 そのくらいもがきました。 SEで培った技術をフル投入、オブジェクト指向で徹底的に設計。 現在SUPER STAR は軽く動作し、機能太りに陥らなくて済んでいます。 それは「Super Star 2.0」で苦労した賜物と自負しています。 苦労したのに非公開です。 それは・・・ 「Super Star 2.0」は、あくまでも踏み台だから。 「SUPER STAR III」シェアウェア公開へ向けて。
シェアウェア「SUPER STAR III」公開! 2000年
2000年7月、「SUPER STAR III」は公開されました。

SUPER STAR III

あのノートを作り始めてから22年が経っていました。

多くの方に愛され始めるのはここからです。

天文ガイド始め、多くの雑誌に取り上げられました。

たくさんのお問い合せ、ご要望が寄せられました。

貴重なご意見は1つも逃さず記録し、

「SUPER STAR IV」へと進化していくのです・・・




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